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27th
Feb ‘09

東京

先日NHK特集『沸騰都市~東京~』を見ました。上へ上へと伸びていく高層ビル群、網目のように複雑な地下インフラ、限界になりつつある埋立地などなど…お金と人が集まり膨張していく姿とそこで暮らすという現実に、ある種の怖さを感じました。(テレビなので強調されているのは承知ですが…)
昨日、今日と東京に出向きました。テレビの感想とは矛盾していますが、やはり東京は魅力的な街です。経済や政治の中心という気配、文化的な香り、下町の賑わい、混沌とした飲屋街などなど、東京ならではのいろいろな表情が感じられるのが刺激的です。
西沢立衛さんが設計した「森山邸」。小雪が舞う中、見に行きました。都内の密集した古い住宅地に、大きさのちがう白い直方体の建物が並ぶ姿は、まわりの住宅と外観こそ違いますが、建物の高さやボリュームが抑えられ、建物間に路地や庭といった抜け感があるため、違和感を感じませんでした。住人たちの暮らしぶりが、大きな窓から見える内部や庭の手入れなどから滲みでているのも、街に溶け込んでいる理由のひとつ。
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このような分棟式の集合住宅のあり方は、もちろん新しいのですが、もしこれが郊外の何もない場所にあったら、単なるミニチュア的な建物でしかないように思います。ひしめくように住宅が建ち並ぶ環境ならではこそ、小さな建物と建物間の空白が大きな意味を持つように思いました。そして何よりも、塀もなく、街に対して完全に開いているところが、気持ちよかったです。
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AUTHOR : さかきばら