JOURNALbox

25th
May ‘09

日常を考えること

先日、建築家・坂本一成さんの講演会に行きました。
東京工業大学で教え、関東での作品が多い方なので、関西での講演会は珍しく、もちろん私は初めてです。
静かに、論理的に思考し、自らの言葉で表現する坂本さんの話。実はとても難しいことだと思いますが、日々の出来事や感じていることを、常にきちんと自分の中に取り込み、思考したことをアウトプットしている積み重ねだと思います。
講演のテーマは、まさに「日常の詩学」。建築で言うならば、ドラマティックな非日常的な空間は、形式主義に陥ってしまいイメージが肯定されてしまう。そうではなく、日常の連続性の中で、その日常を超えようとする拮抗があるときに、自由で生き生きとした空間が生まれるのではないか、というものでした。
ともすれば、何気なく過ごしてしまう毎日。表層的なことだけを捉えてしまう。自分の中に取入れない。そのようになってしまうことが、とても怖い。
あらためて、日々をどう過ごすのか、ということについて、考えさせられました。

AUTHOR : さかきばら