どうしても見たかった展覧会があり、ぎゅうぎゅうのスケジュールを調整して、東京に出向く。一日しかないから、朝早くの新幹線に乗り、最終で戻る。兄にお昼ごはんをご馳走になること、夜は会社員時代の大好きな人たちと会うことだけを決めて、見たい建築をとにかく駆け回った。
数年前まで、この場所を拠点としていたのに、この街の大きさと忙しさに圧倒される。少し頭がくらくらした。
私は小さい頃から、いろいろなところを移り住んだ。だから、残念なことに「ふるさと」と言える場所がなくて(あるとしたら父と母の故郷かな）、そういう私にとっては、ある意味東京は居心地がいい場所だった。人の中に紛れられるから。
ただ今回、代官山の蔦屋に集まっている人たちを見て、なんとなく「もう、この街には長く暮らせない」と思った。装っている姿が、ちょっと息苦しい。
もちろん背筋を伸ばしていることは大切。それと装うことは、なんとなく違うように感じた。（すっかり関西人化しているのか…？）
それでも、建築でも文化でも情報でも、圧倒的な量と早さは刺激的で、ただただ駆け回った東京の一日でした。
妹島さんが設計した、芝浦のオフィスビル。内部も見せてもらい、その独特の空気感に圧倒された。すごい。
見たかった「スタジオ・ムンバイ展」。ものづくりの静かなエネルギーが、会場中に溢れていた。