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19th
Apr ‘09

杉本博司「歴史の歴史展」

初夏のような陽射しと暑さを感じた今日、中之島の国立国際美術館で開催されている、杉本博司「歴史の歴史展」を見にいきました。
写真家・杉本博司氏が、自身の感性でそのモノのもつ歴史を感じて収集した品々と写真作品。収集品は、古美術や化石、隕石、宇宙食まで実にさまざまでした。「…ここに集められたサンプルは、私がそこから何かを学び取り、その滋養を吸収し、私自身へのアートへと再転化する為に、必要上やむを得ず集められた私の分身、いや私の前身である…」と語っています。
長い歴史がある「モノ」を、「写真」という時間を一瞬に閉じ込めてしまう存在に表現すること…。それは、決してその歴史を封印してしまうのではなく、新しい何かの「はじまり」として再認識されるという、杉本氏の力強いメッセージが伝わってきました。
普通の意味での「写真家」という枠ではくくりきることができない、杉本氏の巨大さ、豊かさ、力強さを感じる圧倒的な展示だったと思います。

AUTHOR : さかきばら