JOURNALbox

17th
Jun ‘09

昔の記憶

このあいだ東京に出向いたときに訪れた東京カテドラル聖マリア大聖堂。
そのとき、どうしても心を落ち着かせたくなって「行こう」と思いたったのが、この建築でした。
katedral
戦後の日本を代表する建築家・丹下健三氏の代表作のひとつですが、私がここをはじめて訪れたのは、小学校3年生のとき。当時はもちろん建築と意識していたのでもなく、とくにキリスト教を信仰していたわけでもなく、母に連れられて行きました。(母はこの近くの大学で、住居学を学んでいたので)
外観も印象的なのですが、記憶に残っているには、中に足を踏み入れたときからのこと。とにかく「すごい」と圧倒されたこと、自分の足音や声がとても静かな中で響いたことを覚えています。空間というものを感じた初めての体験でした。
コンクリート打放しの壁が、天に昇っていくように上に上に…ダイナミックな空間の力強さ、制御された光の操作など、とても静かで、禁欲的で、そして神秘的なこの空間は、何度訪れても、最初見たときと同じように圧倒される、私にとって特別な場です。
そして今回は特に、いろいろなことが思い出されて、涙がたくさん出ました。

AUTHOR : さかきばら