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15th
Feb ‘09

スペイン – アルハンブラ宮殿

帰国後、しばらくたちましたが、欧州まわりの報告をぽつぽつと.
最初の国はスペイン、まずバルセロナから夜行列車でアルハンブラ宮殿のあるグラナダに入りました。実はとてもがっかりなのですが、旅の最初の頃のカメラのデータが壊れてしまいました.私の中には強烈な印象として残っているのですが…やはり残念です.
イスラム文化の最高傑作ともいわれているアルハンブラ宮殿.天井や壁を埋め尽くす精巧で細かく、複雑な鍾乳石の装飾を見ていると、ぐるぐるとした“めまい”の感覚を覚えました.当時のアラブ人たちが、何を想像し、どのような思いを込めてつくったのでしょうか.自然界からのモチーフ、星空…私にはそのように思えました.
左右対称で大きな水面のある中庭は、その静かな水面に建物や空が映し出されていました.6kmほど離れたところから用水路をつくり、水を引き込んだそうで、この場所はまさにオアシスだったのでしょう.
庭園も含め、宮殿全体が幾何学的な造形と凝った装飾で埋めつくされ、多くの人は美しいと感じるのかもしれませんが、私はそのつくりこまれた世界に圧倒され、少し嫌気すら感じました.
訪れた時期が冬だったからかもしれません.なんとなく過去の栄華の残骸を見たような気がして寂しくなりました.もし夏だったらと想像したら、アンダルシア地方の灼熱の太陽のもと、水や濃い緑、むせるような熱気や湿度、赤い城壁の色(アルハンブラはアラビア語で「赤い城」を意味し、赤土と石をまぜて城壁がつくられている)がいきいきと輝き、生命力を感じられたかもしれません.
写真がなくて申し訳ありません.

AUTHOR : さかきばら