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5th
Apr ‘11

海の博物館

週末、実家の愛知・岡崎に帰った際、鳥羽にある「海の博物館」(1993年/内藤廣氏設計)に立ち寄った。訪れたのは今回2度目。以前訪れたのは“建築素人”のころ、かなり感動した覚えがあり、最近内藤さんの本を読んで、無性に行きたくなった。

鳥羽駅から私一人の路線バスに乗ること40分。海からすぐの場に、力強くもあり、朽ちていくようでもあり、静かに佇んでいて…寒さにふるえながらも、しばらく動けなかった。
木造の大架構による大きな展示空間から意図的に徹底されたプリミティブなディテールや素材まで、設計者の貫き通した意志をひしひしと感じる。
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内部空間もさることながら、建物の配置が絶妙で、アプローチからの見え方、広場や中庭のとり方、高低差の利用方など、この場所を取り込んだ見事なランドスケープにしばし呆然。あらためて建築は場所に溶け込み、新たな風景をつくっていくことの大切さを思う。
帰りもまた一人バス、鳥羽から大阪に戻る近鉄電車の中でも、心に焼きついたまま。
そんなに数は見ていないけど、「海の博物館」はまちがいなく、国内の私の好きな建築の5本の指に入る。
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AUTHOR : さかきばら