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18th
Feb ‘09

スペイン – レイナ・ソフィア芸術センター

車窓から見えるのは、どこまでも続く赤土の丘とオリーブの木。スペインの高速列車AVEで、マドリッドの中央駅、アトチャ駅に入りました。

 

高速列車が発着するホームは、何本もの列柱がならび、正方形のグリッドパターンの屋根架構で構成されており、このような形態の繰返しでつくられているため、どこまでも続いていくような連続性を感じる大空間でした。

 

アトチャ駅はラファエル・モネオの設計により増築・改修され、旧駅舎は温室の植物園となっているのですが、独特の湿気の中、ゆったりとした時間が流れていました。

 

ピカソの『ゲルニカ』の展示で知られているレイナ・ソフィア芸術センター。駅方向からのその外観を見たとき、大胆な構成と、黒×赤の色気のある色彩に、ものすごく圧倒されました。(勉強不足の私は、その時これがジャン・ヌーヴェルの設計による拡張部分とは知らなかったのですが、逆に知識がなく体感したことがよかったのでしょう。)

 

鋭いエッジの開口が穿たれた屋根のある半屋外的な中庭、大きな吹抜けに書棚が並ぶ内部の図書館、有機的で独特の色気のある造作でつくられたカフェなど、どれもこれも本当に刺激的でした。

 

昼も夜も、また翌日みても、独特の色気を放っているように感じ、私にとっては今回見た建築でいちばん印象に残っています。

 

レイナ・ソフィアではないのですが、プラド美術館での驚きをひとつ。何年か前に行った時から改装されていたのですが、一部の展示室の壁を真っ赤なスタッコ塗りにしていたこと。この国の今の勢い、先進性、情熱みたいなものを私は感じました。

 

今回も写真はないのですが、レイナ・ソフィアの入場チケット。左の三角形のエリアがジャン・ヌーヴェルによる拡張部分です。

 

レイナ

AUTHOR : さかきばら